
聖灰なるエレフセリア
「それでも、この世界で生きていたきみを、忘れることはない」
これは、とある箱庭でのおはなし。
誰がはじめに囁いたのか。それを知る者はもういない。
けれども誰もがそれを信じてきた。
「我が星の神が、────へ導いてくれる」
果たして、それはなんだったのか。誰だったのか。
それを、知る者はもいなくなった。
忘れられたほころび。それは星のように煌いては消えていくのだろう。
世界観
人々はその甘い幻想に夢見ていた。この世界には再創世が訪れ、そして「創星の箱庭」へと成ると。
人々を脅かす星滅獣が現れてからはその幻想を疑う者も徐々に少なくなっていったのだ。
星の神は口を閉ざしたまま。しかしそれでも人類は、神を信じた。
歴史から名を失くしてしまった英雄が、この世界を制裁しそして再創世へと導くまで、あとどれくらいなのだろう。
祈り、信じ、戦い、そして運命の証明を成す物語である。
創星神祈界アルヴァランティス
星の運行と神々の秩序、そして祈りが強く影響を与える世界。神への信仰心が強い人間も多い。
人々の祈りが届き、また神々の秩序や神威がこの世界へと流れ込むものでもあるとされる。
「星滅獣」によって精神が蝕まれた者に発症する病「星滅病」もこの世界には存在おり、そして寿命を消耗する代わりに未来を視ることが出来る「星詠みの民」も存在している。
創星の箱庭
「再創世」によって現れるとされる、苦悩なき楽園であり、多くの人々にとっての希望である。
星々の光が降り注ぎ、病も争いもなく、魂が永遠に澄んだ安らぎを得る場所。
アストラスキアは箱庭についてはその口を開くことはなく、それは「試練に耐えるための沈黙」と言われている。
飢饉の中で倒れた民が「星々が並ぶ門を夢に見て、その向こうに箱庭を垣間見た」と語った逸話があり、以来「夢を見た者は神に選ばれる」と信じられている。
古い神話では「この世界は星の子宮にすぎず、やがて真なる創世が訪れる」と語られる。これが「再創世」の教義として伝えられている。
夜空に散る星座そのものが「箱庭の断片」とされ、人々は夜空を見上げることで箱庭を想起するようだ。
アストラムセル祈導国
アルヴァランティスにおいて最も大きな主要国とされており、星海軍エトレイルとセレスティアル聖軍が属する国。
神と人は共に歩むべきという理念を掲げ、秩序を守りながらも発展を志すもの。
天には星海軍エトレイルが持つ星海を駆ける艦隊が大きく浮かんでいる。
用語集
星滅獣
身体からまるで星を思わせる結晶が生えているのが特徴的な人間を脅かす存在。
そして、古来よりアルヴァランティスにて人間を襲い、そして精神と肉体を蝕んでいく未知の生物。
失墜した神は、神聖なる世界の外縁に落とされ、そこで「星滅獣」となるという説もある。
一方で、人間の絶望や憎悪が具現化して生まれる、という説もある。
どちらにせよ、その存在は「世界の秩序が失われた証」と考えられる。
その身体からは常に「祈りを歪ませる瘴気」が放たれ、近づく者を狂気と絶望に陥れる。
星海軍エトレイル
アルヴァランティスにおいて最も強大な軍事力を誇る勢力のひとつであり、同時に「清浄なる信仰を基盤とした軍隊」として知られる。
彼らは創星神アストラスキアを深く信仰しているが、それはセレスティアル聖軍のような狂信ではなく、秩序と調和を重んじる「澄み切った信仰心」である。
セレスティアル聖軍同様、星滅獣からアルヴァランティスの均衡、そして人間の平穏を守る要であり続けている。
彼らにとって「戦うこと」は征服などではなく“秩序を守る奉仕”である。
セレスティアル聖軍
星海軍エトレイルと同じく強大な軍事力を誇る勢力のひとつ。創星神アストラスキアを絶対視し、その神意に全身全霊を捧げる狂信の軍勢。
彼らは「神の意思は絶対であり、人の理や世俗の秩序を超越する」と信じており、信仰の名のもとなら自らの命すら迷いなく投げ出す。
セレスティアル聖軍の兵にとって、「戦うこと」とは“神への奉仕であり殉教”である。彼らは神意を疑わず、たとえ無謀な命令でも「選ばれた試練」として受け入れる。
合理性や効率よりも「神意の象徴性」を優先するため、時に自滅的な戦い方を取る。しかしその盲目的な突撃や集団的な祈りは、人知を超えた奇跡的な戦果を生み出すこともある。
星詠みの民
生来、星の動きや輝きに感応し、未来を視る能力を持つ者たち。寿命を代償として未来を読み解くため、その力には大きな犠牲が伴う。
夜空の星や星滅獣の影響、自然現象や人の運命の兆しを読み取り、短期~中期の未来を予見する。
しかし強力な予知ほど寿命を削るため、長く活躍する者は稀。過度に未来を視ると寿命が大幅に減る。
星詠みの民は「未来を知る者」として尊敬され、祈りや助言を求められることが多い。
王や星海軍エトレイル、セレスティアル聖軍なども時に星詠みの民に助言を求めるが、彼らは未来の選択を命じることはせず、あくまで「兆しを告げる」のみに留まる。
星滅病
星滅獣の瘴気に触れることで発症する、未だに治療方法が見つかってない病。
発症者は体から結晶のようなものが生え、その様子から「星のようだ」と星滅病と名付けられた。
肉体と精神を徐々に侵食し、やがては「世界の秩序との結びつき」を断たれてそして身体全体が結晶化してしまう。